2024年 11月の星空を撮る
夜空に浮かぶロゼット -ばら星雲 を撮る- 冬のダイヤモンドを写した写真に微かに姿を見せていたばら星雲 いっかくじゅう座に位置する散光星雲。肉眼には感じにくいHα領域。赤色に近い色で、薔薇のロゼットのように見える 下の写真のように、天の川のまっただ中に位置するので、周りには星が溢れている オリオン座の1等星ベテルギウスと、こいぬ座の1等星プロキオンを結ぶ中点のややベテルギウス寄りを探すと見つかる といっても肉眼では識別は困難なので、撮影を繰り返して見つけることになる 街明かりの中で撮影 ---------------------------------------------------- 400mm、ISO3200、f5.6、1350秒(25秒×54枚)、ダーク減算後に加算コンポジット処理、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部 SONY α7M3 (IR custom) + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2024年11月24日23時04分 |
賑やかな冬のダイヤモンド この日の月没は、30時間制で26時55分。薄明が始まるのは28時59分。正味2時間しかない 街明かりはこの時間になるとさすがに収まるようになる。ともかくも冬のダイヤモンドに絞って撮影する 前回11月2日に撮影した写真と比べて、惑星の火星と木星の位置がそれぞれ動いていて面白い また火星を挟んでふたご座の反対側にはかに座のプレセペ星団が顔を出している。星の巡りは春を知らせている 天候不順な11月。この日はさほど寒さを感じないから不思議だ。11月中にあと1回は撮影のチャンスがあるかな この夜も流星群には見放されて、眼視で確認した他は写野外だった。高速で流れるしし座流星群には驚かされたが、この場所では写野が制限されるため、なかなか撮影は難しい ---------------------------------------------------- 20mm、ISO1600、f2、10秒、サイトロン スターエンハンサー、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部 SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G 2024年11月12日27時21分 (時刻は30時間制) |
---------------------------------------------------- 560mm、ISO3200、f8、595秒(30秒×10枚、15秒×9枚、10秒×10枚、5秒×12枚)、ダーク減算後に加算コンポジット処理、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部 SONY α7M3 (IR custom) + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS + 1.4X Teleconvertor 2024年11月09日22時13分 |
流れる雲と M42 この秋初めての冬型の天候。あっという間に雲が覆い、雨が降り出した 傘を差して続行しようかと迷ったが、回復しそうもないのであっさりと撤収 2024年11月06日22時24分 |
冬のダイヤモンドを撮る 予報は雨のち晴れ。それにしても大雨で、はたして晴れるのかと危ぶんだ 北寄りの強い風が吹く中、新月の夜に今秋一番の星空が広がった 日付が変わるとさすがに街明かりは収まり、冬の星座が天頂から西へと傾き始めた。この時間になると天頂の送電線は東にそれ、冬のダイヤモンドが姿を現した 24mmレンズを縦位置にセットして冬のダイヤモンドの全容を写した この秋は、惑星が冬の星座に侵入して何とも賑やかだ。まずオリオンの頭上、ぎょしゃ座と接するあたりではひときわ明るく木星が輝いている。木星は実に明るい。次にぎょしゃ座の左のふたご座のポルックスの近くには火星が赤く輝いている おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスの冬の大三角の中を冬の天の川が流れている。夏の天の川のような派手さはないが、おちついた輝きを見せる冬の天の川のほとりには、かすかにばら星雲も姿を出している 肝心のおうし群は2つ流れたが、写野外だった ---------------------------------------------------- 24mm、ISO1250、f2、15秒、マニュアルWB、サイトロン スターエンハンサー、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部 SONY α7RM5 + FE 24mm F1.4 GM 2024年11月02日26時27分 (時刻は30時間制) |
オリオン大星雲 M42 光害があふれ、透明度のよくない街中。よどんだ東天にオリオン座が上ってきた 南中にはまだ早いが、南中まで待つとここでは送電鉄塔の送電線が邪魔をする。やむを得ず撮れるうちに撮ると決めて撮影を開始する。街中で、しかも高度が低いので、条件はよくない オリオンのベルトに相当する三つ星の下には、縦に並ぶ小三つ星がある。小三つ星の中央にあるのがオリオン大星雲M42と呼ばれる散光星雲で、ガスのかたまり。そこでは今もなお恒星が誕生し続けている。M42の中心には四重星のトラペジウムがある 肉眼ではわかりにくいが、M42はトラペジウムなどの星の紫外線によって水素ガスが電離して光っている。電離水素領域(HII領域)の発する光の波長は656.3nmで肉眼では赤色に近く見える おうし座流星群を待ちながらついでにM42を撮ったものの、望遠ズームレンズでの撮影は天体望遠鏡とは違って、なかなか厳しい 皮肉なもので、M42の撮影中に天頂から南へ明るい流星が流れた。ゆっくりと流れる流星はまさしくおうし群だった ---------------------------------------------------- 400mm、ISO3200、f5.6、455秒(15秒×15枚、10秒×15枚、5秒×16枚)、ダーク減算後に加算コンポジット処理、マニュアルWB、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、美濃平野部 SONY α7M3 (IR custom) + FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 2024年11月03日23時17分 |